
北海道の中央に位置する富良野・美瑛エリアは、雄大な自然と丘の連なりが織りなす「丘のまち」として、国内外から多くの観光客が訪れる人気の地域です。しかし、この美しい景観の裏側で、他の地方都市と同様に空き家問題への対策が喫緊の課題となっています。
「親から実家を相続したが、遠方で管理が難しい」「誰も住んでいない家をどうにかしたいが、何から手をつければいいかわからない」
このようなお悩みを抱える空き家所有者の方も少なくないでしょう。
この記事では、富良野・美瑛エリア特有の事情を踏まえつつ、空き家が放置されることによるリスク、そして対策として講じられる具体的な手段について、不動産のプロであるクウカン株式会社が徹底的に解説します。
深刻化する富良野・美瑛の空き家問題と放置のリスク
まずは、なぜ富良野・美瑛で空き家問題が重要視されているのか、その現状と、放置した場合に生じる具体的なリスクについて見ていきましょう。
富良野・美瑛エリアの空き家を取り巻く現状
富良野市や美瑛町では、少子高齢化や人口流出に伴い、空き家率の上昇が懸念されています。特に、高齢の親世代が亡くなり、都会で暮らす子世代が実家を相続したものの、物理的・時間的な制約から管理が行き届かず、そのまま放置されてしまうケースが目立ちます。


画像引用
左表:「富良野市空家等対策計画」(令和4年3月)より
https://www.city.furano.hokkaido.jp/life/docs/7133.html
右表:「美瑛町空家等対策計画」(令和4年3月)より
https://town.biei.hokkaido.jp/life/environment/akiyakeikaku.html
富良野・美瑛の空き家は売れやすい?
富良野・美瑛は観光地としての側面が強いため、一見すると「空き家でも売れるのではないか」と思われがちですが、実際には、築年数の古い物件や立地条件の悪い物件、雪国の厳しい気候による老朽化が進んだ物件は、すぐに買い手が見つからないことも少なくありません。
また、美しい景観がこの地域の最大の資産であるからこそ、老朽化して周囲の景観を損なう空き家は、地域全体のブランドイメージを低下させる要因ともなりかねません。
空き家を放置する4大リスク

「誰も住んでいないから大丈夫だろう」と空き家を放置する行為は、所有者にとって、そして地域社会にとって、非常に大きなリスクを伴います。以下は、そのリスクの代表例です。
画像引用
「空き家の活用や適切な管理などに向けた対策が強化。トラブルになる前に対応を!」(政府広報オンライン)より
https://www.gov-online.go.jp/article/202403/entry-5949.html
1. 資産価値の低下
誰も手入れをしない空き家は、湿気による建物の腐食、雨漏り、シロアリ被害などで急速に老朽化が進みます。時間が経てば経つほど修繕費用が増大し、最終的に売却しようとした際の資産価値は著しく低下してしまいます。
2. 災害・事故のリスク
富良野・美瑛では冬場の積雪量が多いため、老朽化した空き家は倒壊リスクが高まります。また、台風や地震などの自然災害が発生した場合、倒壊した建材が隣家に被害を与えたり、通行人を負傷させたりする事故につながる可能性があります。この場合、所有者として損害賠償責任を問われる可能性があります。
3. 特定空き家に指定されるリスク
2015年に施行された「空き家対策特別措置法」により、倒壊の危険性、衛生上の問題、景観の阻害など、周囲に悪影響を及ぼすと判断された空き家は、自治体から「特定空き家」に指定されることがあります。
特定空き家に指定されると、自治体からの指導や勧告を受け、最終的には行政代執行によって強制的に解体される可能性が出てきます。
さらに、最も大きな影響は税制面です。固定資産税の優遇措置(住宅用地の特例)が解除され、固定資産税が最大で6倍に跳ね上がってしまいます。これは、富良野・美瑛に限らず、空き家を所有し続ける上での最大の重荷となり得ます。
4. 犯罪・不法投棄のリスク
人の出入りがない空き家は、不審者の侵入や不法投棄の温床となることがあります。特に富良野・美瑛のような観光地では、空き家が放火のターゲットとなるリスクも無視できません。こうした事態が発生した場合、近隣住民とのトラブルに発展し、所有者としての責任を問われることになります。
富良野市・美瑛町の人口動態や空き家に関連する情報、また、空き家の抱えるリスクについて深く知りたい方は、こちらのプレスリリースもご参照ください。
俱知安ニセコ・富良野エリア特化の不動産買取事業「ゴエン」がスタート!未来に不安を残さない、安心の直接買取
https://kukanhokkaido.co.jp/pressrelease/1679/
富良野・美瑛の空き家を「負動産」にしないための具体的な対策7選
空き家を放置すれば、ただ維持費がかかるだけの「負動産」になりかねません。しかし、適切な対策を講じることで、「資産」へと変えることは十分に可能です。
ここからは、富良野・美瑛の空き家対策として有効な7つの手段と、そのメリット・デメリットを解説します。
対策1:売却する(最もリスクが少ない選択肢)
空き家を手放し、管理責任から完全に解放される最もシンプルな方法です。
メリット | デメリット |
・管理の手間や維持費用(固定資産税、火災保険料など)が一切かからなくなる | ・売却価格が想定より低くなる可能性がある |
・売却益が得られ、新たな資産として活用できる | ・契約不適合責任(旧瑕疵担保責任)を負う場合がある |
・特定空き家指定のリスクから解放される | ・売却には時間がかかる場合がある |
特に富良野・美瑛エリアでは、観光地に近い立地や、スキー場などへのアクセスが良い物件であれば、セカンドハウスや移住希望者向けとして、意外な高値で売却できるケースもあります。
富良野の不動産売却を検討されている方へ、こちらの記事もご覧ください!
富良野の土地を手放したい方へ|相続後の売却・買取・仲介の違いと進め方をやさしく解説
https://kukanhokkaido.co.jp/media/2428/
対策2:賃貸に出す(定期的な収入を確保)
空き家を賃貸物件として貸し出し、家賃収入を得る方法です。
メリット | デメリット |
・定期的な家賃収入が得られる | ・入居者が決まらないリスクがある |
・入居者がいることで、空き家の傷みが抑制される | ・賃貸開始前にリフォーム費用がかかる場合がある |
・固定資産税の優遇措置を維持できる | ・管理業務(入居者対応、修繕など)が発生する |
富良野・美瑛は移住希望者や季節労働者の需要もあるため、適切なリフォームを施せば、空き家を有効活用できる可能性があります。
対策3:解体・更地にする(税金・費用増に注意)
空き家を解体し、更地にしてしまう方法です。
メリット | デメリット |
・倒壊リスクや特定空き家指定のリスクを完全に解消できる | ・固定資産税が最大6倍になる(住宅用地の特例が解除されるため) |
・更地として駐車場や資材置き場など、新たな活用方法を検討できる | ・解体費用が高額になる(木造で坪あたり3〜8万円程度が目安) |
更地にすると固定資産税が大幅に上がるため、解体は「売却が難しい」「将来的に活用計画がある」など、具体的な計画がある場合にのみ検討すべきです。
対策4:空き家バンクに登録する(自治体のサポート活用)
富良野市や美瑛町などの自治体が運営する空き家バンクに登録し、移住希望者などに情報を公開する方法です。
メリット | デメリット |
・自治体が主体となり、移住希望者へのアピールを手伝ってくれる | ・すぐに買い手が見つかるとは限らない |
・成約手数料が一般的な不動産売却よりも安価な場合がある | ・物件の状態によっては、登録を断られる場合がある |
【参考】富良野市と美瑛町の空き家バンク・関連サイト
富良野市:北海道富良野市移住促進情報「リビング・フラノ」
https://furano-iju.com/
美瑛町:北海道美瑛町ホームページ
https://biei-t01459.akiya-athome.jp/
対策5:空き家管理サービスを利用する(遠方所有者向け)
遠方に住んでいて富良野・美瑛の空き家を定期的に見に行くことができない場合に、不動産会社や専門業者に依頼して管理を代行してもらうサービスです。
メリット | デメリット |
・建物の傷みや不審者の侵入などを早期に発見できる | ・毎月の管理費用が発生する |
・草刈りや換気、水道の通水などの管理を任せられる | ・あくまで「管理」であり、問題の根本的解決ではない |
対策6:空き家買取サービスを利用する(スピード重視)
一般的な仲介による売却ではなく、不動産会社に直接空き家を買い取ってもらう方法です。
メリット | デメリット |
・売却までのスピードが非常に速い(最短数週間) | ・仲介による売却価格よりも価格が低くなる傾向がある |
・契約不適合責任(旧瑕疵担保責任)を負わなくて済む場合が多い | ・すべての空き家が買取対象となるわけではない |
・内覧対応や広告活動の手間がかからない |
特に富良野・美瑛のような地方では、一般の買い手を見つけるのに時間がかかるケースがあるため、空き家買取は迅速な現金化を望む所有者にとって有力な選択肢です。
対策7:相続前に家族信託を検討する(次世代への負担軽減)
これは空き家発生前の対策ですが、将来の相続を見据えて、家族信託(民事信託)を検討する方法です。
家族信託を利用すれば、親が元気なうちに、不動産の管理・処分権限を子に託すことができます。これにより、親が認知症などで判断能力を失った後でも、子が空き家の売却や活用をスムーズに行うことができるようになり、空き家問題の発生を未然に防げます。
2023年改正!空き家対策特別措置法の「管理不全空き家」とは?

2023年12月に「空き家対策特別措置法」が改正・施行され、従来の「特定空き家」に加えて、「管理不全空き家」という新たな概念が導入されました。
画像引用
「空き家の活用や適切な管理などに向けた対策が強化。トラブルになる前に対応を!」(政府広報オンライン)より
https://www.gov-online.go.jp/article/202403/entry-5949.html
管理不全空き家とは
倒壊の危険性までは至らないものの、「適切な管理がされておらず、放置すれば特定空き家になる可能性がある空き家」を指します。例えば、庭の雑草が伸び放題になっている、ゴミが散乱している、外壁にひびが入っているが放置されている、といった状態の空き家が該当します。
改正による最大の影響
自治体は、この管理不全空き家に対して、特定空き家と同様に指導・勧告を行うことができるようになりました。
勧告を受けると、最も重要な「住宅用地の特例」(固定資産税の優遇措置)が解除され、固定資産税が最大6倍に跳ね上がります。これは、特定空き家に指定される前段階で、所有者に空き家の適切な対策を促すための措置です。
この法改正は、富良野・美瑛エリアにおいても例外ではありません。適切な管理を怠る空き家の所有者には、これまで以上に早期の対策が求められるようになっています。
富良野・美瑛エリアの空き家対策はクウカンにお任せ
富良野・美瑛の空き家に対する対策は、物件の立地、築年数、所有者様の状況、将来の希望によって、最適な選択肢が異なります。
「売却すべきか」「賃貸に出すべきか」「まずは管理サービスを利用すべきか」
このように悩んでいる間に、空き家はどんどん老朽化が進み、特定空き家や管理不全空き家に指定されるリスクが高まってしまいます。
私たちクウカンは、北海道エリアの不動産に特化し、地域の特性を深く理解したうえで、空き家問題の解決をサポートしています。
クウカンの空き家対策について
北海道の空き家問題に本格対応。不動産買取専門「ゴエン」が倶知安・富良野で相続・空き家・空き地の課題解決と地域再生を推進
https://kukanhokkaido.co.jp/pressrelease/3878/
クウカンが提供できること
専門的な診断と提案:
お客様の空き家の状態や市場価値を正確に評価し、売却・賃貸・管理・解体など、富良野・美瑛エリアの特性に合った最適な対策をご提案します。
空き家管理サポート:
遠方にお住まいの所有者様には、定期的な見回りや報告を行う空き家管理サービスをご提供し、管理不全空き家化を防ぎます。
スピード買取の提案:
早期に空き家を手放し、管理責任から解放されたい方には、空き家買取も含めたスピーディな売却プランをご提案します。
富良野・美瑛の土地買取ならゴエンにご相談を

富良野・美瑛の美しい景観を守り、ご自身の空き家を負動産にしないためにも、一歩踏み出して専門家に相談することが、何よりも重要です。
特に、売却による空き家解消を目指しているなら、弊社が運営する不動産買取専門店「ゴエン」での売却を、ご検討いただければと思います。
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